DJWarpの音楽の旅

テクノ中心にDJ,DTM,プラグインなど音楽のアウトプット

マスタリングワークショップに参加してみた

こんばんは!

コツコツとテクノを作って世界に発信していますが、テクノ作ってて一番行き詰まるのがマスタリング。

曲ができた瞬間はテンション上がって、高揚感に包まれて達成感でいっぱいなのですが、いざマスタリングとなると何が正解なのかわからなくなって沼にでも落ちたようにズブズブとゆっくり沈み込んで終りが見えないままファイル数だけが増えていく。。

というわけでマスタリングについて悩んでいたところ、福岡のDTM専用スタジオFired Up Studioでマスタリングのワークショップが開催されるという情報を頂いたので行ってきました!

Fired UP STUDIO :: ダンスミュージック制作のためのレンタル音楽スタジオ

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講師に4つ打ちエンジニアのOnibabako氏を迎え貴重なお話を聞くことができましたので、そのメモの一部を公開したいと思います。

 

 今回受講内容の全てを公開してしまうとOnibabakoさんの商売を邪魔してしまうことになりますので、深い話はぜひ次回のワークショップなどに参加していただくとして、要点をまとめたメモを箇条書きにしていきます。ここから読み取って参考にしていただけるといいかなー。

 

MIXダウンが8−9割!

・2MIXをマスタリングの作業でコネコネするよりも、そもそもMIXダウンでバランスとったほうがいい!困ったらMIXダウンに立ち返ってバランスを取り直す。

 

モニターについて 

・クラブトラックは低音をしっかり鳴らせる口径の大きなスピーカーでモニターすべし。最低でも40Hz〜の音がなるものでないと厳しい。

・手に入れやすい価格帯の物でオススメのモニタースピーカーを聞かれたらFocalのスピーカーSHAPE65と答えている。こちら↓ 

 

 ・スピーカーから2.5mくらい距離をとって聴かないと低音をしっかりモニターするのは難しい。

・とはいえ、日本の住宅事情で難しい。低音の鳴り具合を確かめるにはリファレンス曲と自分の曲を隣の部屋から聴いて「ウンウン」鳴る低音の違いを比べると参考になる。

・ヘッドホンでのマスタリングもあり。最終確認はスピーカーで行うといい。

・ヘッドホンはFocalのListen Proがお手頃でオススメ!↓こちら。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

FOCAL Listen Professional
価格:38000円(税込、送料無料) (2019/2/26時点)

・S○NYの某定番モニターヘッドホンは低音が出ないのでクラブトラックで使うには役立たない。あくまで確認用として。

・グラスウールなど収音材は部屋に導入するべき。

・難しい場合でも絨毯や天井に布を貼るなどできる対策をするべし。

 

耳のケアについて

・普段から耳を傷めないように騒音のひどい場所には行かないなど注意をした方がいい。

ノイズキャンセリングのイヤホンを普段から使うなど日々のケアは大切。

・マスタリング前に耳抜きをする。

低音の処理について

・キックとベースの両立は難しい。どちらかを犠牲にすると割り切ることで簡単に進むことがあるので割り切りも大切。

・キックはゲートを使うことによってベースと共存できる場合もあり。

・ベースをLとRの2トラックにしてほんのわずかにズラして鳴らすと音が少し左右に広がって真ん中にキックがスッポリ入る。

・最近の楽曲ではベースを3本重ねているものがある。1オクターブとか2オクターブ高くベースの音(低音をカットしたベース)をうっすら入れるとスマホで聴いたりYouTube で聞くときにベースの音が聞こえ安くなる。商業的な音楽はこのような手法も必要になっている。

・音階周波数の表を基にキックやベースの音の響きが濁らないようにするべし。結構大事。

・キックはEQでどうにかするのは難しい。40Hzから60Hzがしっかり入ってないとクラブでの鳴りが厳しい。

・キックのローをしっかり出すにはこのプラグインがオススメ。

UADのLittle Labs Voice Of God (VOG) Bass Resonance Tool

Little Labs® Voice Of God Bass Resonance プラグイン | UAD Audio Plugins | Universal Audio

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・40Hz以下の低音はモノラルにすると良い。

・キックは40Hzがしっかり入っているとリッチで迫力のあるサウンドになる。

・Fab Filter Q2(Q3も最近出た)でMSの聴き分けができるので、不要なサイドの低音はカットする。

 

 テクニックいろいろ

・今回はリミッターで1dbほど叩く→MS処理でエアー感を出す→リミッターやEQ→コンプをうすーくかける。→サーチュレーション処理→EQという手法を紹介。

・MS処理でS(サイド)をブーストしてエアー感を出す。

・コンプのリリース量は60,000/BPM=の数値でやると四つ打ちにピッタリ!

・ほんのり倍音を増やして耳に刺激的な音を前に出すようにする。

・UADのNeve 1073がオススメ!

Neve 1073 Preamp & EQコレクション | UAD Audio Plugins | Universal Audio

・EQやコンプなどプラグイン刺すと1dbでも大きく聞こえると良くなったと錯覚してしまいがちなので、大きくした分下げて音そのものを比べるようにする。

RMSの目安は-11から-8くらいにしている。

Izotope Ozone8では階段状に高音ほど音を広げてあげると良く聞こえるがクラブトラックでは迫力が失われるのでバランスが大切。

・エアー感を出すためにこちらのプラグインがオススメ。The Black Box Analog Design HG-2.

Black Box Analog Design HG-2 - Plugin Alliance

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・EQはそれぞれクセがあるので、クセを知った上で目的にあったものを使うべし。

・2MIXのハットの音を上げたいときはEQで上げると耳に痛くなってしまうのでMS処理でSを上げてハットを浮き立たせると耳にも痛くなく存在感が上がる。

・マスターはmp3にしたときに音割れしないように-0.1db

 

 

などなど、貴重なお話を聞く事が出来ました。こちらのメモの内容をより詳しく知りたい方はまたの機会のワークショップに参加するなり、Onibabakoさんのホームページや

Onibabako's Ownd

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🐈川ФωФ)🐈 (@Onibabako) | Twitter

をチェックしてみてはいかがでしょうか?

Note(Onibabako|note)でも色々公開をしていくみたいです。

 

私のマスタリング前のトラックを差し出すとササッと分析してローが出ていない部分を指摘し修正の仕方なども教えていただきました。さすがでした!

ここには書けない楽しい裏話も聞くことができました。

 ダンスミュージックのトラックメーカーはマスタリングは自分で行っている方が多いので、一人でやっていると何が正解かわからなくなってしまう事があると思います。

今回様々なテクニックやオススメプラグインの使い方などを教わったことで前に進めた気がしましたOxford Limiterが欲しいなー。上には書いてないけど凄かったです(だしおしみ)。

 

マスタリングで悩んでトラックを作る時間が大きく削られてしまうくらいであれば、お金はかかりますがプロにお任せしてしまったほうが早いなーとも思いました。

とはいえ、もちろん自分のトラックは自分で全部面倒を見れる事が一番いいので、様々なことを試しながらステップアップに励んでいきたいと思います。

 

というわけで、一つ一つのトラックには制作とは別に、少しでもよく聞こえるために影の努力があるわけなんですね。

よーし頑張ってテクノ作るぜ-!