60000年ぶりに更新!
モニターヘッドホンなど色々試して昨年買ったADAM AudioのSP-5がとても良かったので紹介します。
私はテクノを作るのでテクノなどダンスミュージックを作る人向けの視点でのレビューです。オーディオヲタクの方は他所のブログを参考にしてください。
購入時に書いたレビューを温めていましたが使い込んで他のヘッドホンとも比べたりしたのでようやく公開しました。
Adum Audio SP-5
評判がいいヘッドホンとの記事をみて買ってみました!Adum AudioのSP-5!
ヘッドホン界隈では有名なULTRASONEが作っていてAdum Audioがチューニングをしたような話を聞きましたが詳細はググれば出てくるから、調べたい人は自分でね!
Made in Germany ドイツで作られているようです。
箱を開けると更に箱が入っていてその中にケースが!ケースを開けるとようやくヘッドホンがでてきたー!
ヘッドホン本体とカールコードとストレートのケーブルが入っていました。
イヤーパッドは少し硬めです。
イヤーカップのロゴがカッコいい〜!
ヘッドバンドのスライドを動かしても頭の大きな私でも余裕ある大きさにできるので安心。
耳をすっぽり被せて側圧はまぁまぁ強め。ピッタリとくっついて夏とかはしんどいのかな?と思いましたがやはり少し蒸れます。密閉型なので仕方ないね。
カールコードの方は標準ジャックでストレートケーブルの方は3.5mmのミニジャックです。変換アダプターは付属してないので差し込みの形状に合わせて選べって事ですね。
カールコードで音を聞いてみます。
YamahaのMT8と比べてもしっかり高い音をいやらしくなく鳴らしています。
インピーダンスは70Ωなのである程度の出力が必要です。何も知らずに聴くと「音ちっさ!」となるのでお店で比べて聴くと第一印象があまり良くないのかもしれません。ということが原因なのかなぜか今、中古の価格は結構安い。
私は新品で77,000円で買いました。新品もセールなどで時々安くなってるっぽい。
低音はかなり低い音まで出てそうな存在感は感じるものの、決して盛った音ではなく、少し控えめでフラット寄りなのか低音の量は少し少なめに聴こえます。
ローエンドもバッチリ聴こえるぜ!やった!
以前使っていたMT8は低音が聞こえず不満でしたが、その部分がカバーできる!
ローエンドまで定音は出るものの低音の量感はやや少なめなので慣れるまで少し時間がかかりそうですが、低温を無理やり押し出して盛ってる感じがない素直で余裕がある出し方なのでとてもナチュラルです。
女性ボーカルもとてもリアルでリバーブ感がハッキリ見えて素晴らしい〜!
当然ながら解像度も良く音の分離も良いです。
高音域に変なピークのようなクセがあってボーカルが前に出てくるのがこのヘッドホンの良い部分でもあり、前に出過ぎ感もあって唯一少し気になりました。
歌物はハッキリ聞こえるので気持ち良すぎてクセになってしまいそうです。
テクノを聴いてみます。
うわーーい!やった!このローエンドよ!
ポップス聴いてた時はローエンドが少し控えめに聴こえてたけどテクノを聴くと多分100Hz以下が良く聴こえてしっかり40Hz辺りの質感も感じ取れる〜!
コレは素晴らしーーーー!
キックがボンボン鳴っても破綻しない低音感と全体のバランス!
低音を盛っていないのにめちゃくちゃしっかり聴こえるという!低音の量やバランスとりやすそう〜!コレは低音重視の音楽でこそ活きそうなヘッドホン。やっとローエンドと高域のバランスが理想のヘッドホンに出会えたぜ〜!うぇーーい!
今度はキャリブレーションして聴いてみたいと思います。
Sound ID Reference でSP-5のプロファイルを呼び出すとなるほど、高音域にずいぶんなクセがある。この辺りが解像度良く聴こえるのとピークの間の凹みが独特に聴こえているのかもしれません。しかも思ったよりもローエンドは出ていない事になってるな。
元々高音域が飛び出しているのでキャリブレーションしてフラットに戻すと煌びやかさや空気感が減っててノッペリとした音に聞こえてしまいますね。
これはキャリブレーションせずにヘッドホンそのものの音を聞いた方が音がキラキラ輝いて聴こえます。
ケーブルをストレートケーブルに変えて聴いてみました、ほとんど変わりはわかりませんでしたがストレートケーブルの方が少しギュッと内側に音が集まる感じがした気がしました。耳がバカなのでよくわかりません。
というわけで、これまで色々なヘッドホンを聴き比べてきましたが、私の好きな音が出るヘッドホンにようやくたどり着きました!
ヘッドホン選びも突き詰めていくと、結局は好みの問題になってくると思いますが、私の好みの条件はテクノの低音をしっかり出せる事と、ボーカルが映える煌びやかな高域が出る事です。この両方をバランス良く出せるヘッドホンが無くてずいぶん買い替えてきましたがようやく辿り着きました。
このSP-5はある意味とてもクセがあるので好き嫌いがハッキリと別れそうです。
特に高音域の情報力が多く聴こえるので細かいニュアンスを感じ取る事ができるのが最高に楽しい〜!
イヤーパッドが少し硬めなので柔らかいものを探していたら、SonyのMDR-1A用のイヤーパッドがピッタリだったので交換してみました。
つけ心地が200%ほど改善して増えてふわふわでとっても快適です!
・・という訳でしばらくの間使っていましたが、イヤーパッドで音が変わるのか確かめたくなり純正とふわふわのイヤーパッドと聴き比べをしてみるとどうも違う気がする・・。
しかし、イヤーパッドを付け替えて聴き比べをするとイヤーパッドの交換の手間がかかり、音が違う気がするものの,即座に違いを確認できないので気のせいなのか、本当に音が違うのかモヤモヤしていました。
そこで、!ジャン!
もう1台買って2台でイヤーパッドの違いを聴き比べ!
ノーマルのイヤーパッド(写真奥):こちらの方がより広がりがあって空間表現が良いので普通の歌物とかの曲を聴くのはこちらのノーマルの方がいい感じ!音場が広くリバーヴの掛かり具合などはノーマルの方がわかりやすいかも。
MDR-1Aのイヤーパッド(写真手前):低音がしっかり聴こえて音がギュッと中心に寄った感じ。トラックメイクする時は低音の量感の確認が必要なので圧倒的にこっちの方がいい感じ!
という訳で、トラックメイクをしている私はフカフカのイヤーパッドの方が向いていました。イヤーパッドで音が変わるのが実験できて面白かった。
更にUltrasoneのモニターヘッドホン Signature Masterとも比べてみました。
Signature Masterと比べるとSP-5の方が音の広がりや情報量は少ないですが、ミッドの押し出しはこちらの方が気持ち良くてボーカルなどがより前に出てパンチのある音です。Signature Masterに比べるとSP-5の方が明らかにテンションが上がってダンスミュージックはこちらのヘッドホンの方が明らかに映えるので製作ではSP-5を使いたくなると思いました。
使い方としては曲を作る人には最高のヘッドホンだと思います。MIXも充分できるクオリティでローエンドがしっかり聞こえるのでダンスミュージック制作者に超絶オススメ!
音が少し中央寄りなので、好みが分かれるかもしれませんが私はそれが気持ちよくて好き!
Signature Masterよりも高音が刺さらないので曲を作りながら長時間つけていても耳の疲れが少ない気がします。
空間表現とかをもっともっと詰めたい方はSignature Masterなど更に上位のヘッドホンへ向かえば良いかと思いますが、ローエンドを重視する音楽を聴く上ではバランスの良さでは抜きん出ている印象です。
FocalのモニターヘッドホンClear MG Proと比べても制作においては私はこちらのSP-5の方が楽しく作れるヘッドホンだと思っています。Clear MG Proよりも音が広すぎず、良い意味でアラが見えないので制作の勢いをキープできるからです。
もしADAM AUDIOのモニターヘッドホンSP-5を検討している方がいれば参考になると幸いです。
ということで、気が向いたらそのうちULTRASONE Signature MasterとFocal Clear MG Proのレビューもアップします!