DJWarpの音楽の旅

テクノ中心にDJ,DTM,プラグインなど音楽のアウトプット

曲を買うまでの時間から見えてくるDJとアーティストの話

ドンチッ!ドンチッ!テクノーーー!!!

 テクノ聴いてますか!?2017年もあっという間に終わってしました。

私が以前にツイッターでアンケートを行った結果を載せるのを忘れていましたので、今日はこの話題。「曲を買うまでの時間から見えてくるDJとアーティストの話」

買う曲を決めるのに必要な時間は?

ツイッターで「ダンスミュージックを買う時、試聴を始めて”買う!”と決めるまでの時間は?」・・というアンケートをとりました。

DJの方を中心に154票の投票結果がコチラ!

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4択での回答でしたので設定時間もザックリですがこのような結果になりました。

1位:16秒〜1分(38%)

2位:1〜15秒(36%)

3位:1分〜3分(14%)

4位:3分以上(12%)

 

1位は16秒〜1分で38%!ダンスミュージックは1曲6分から8分程度なのでほんの一部を切り取って聴いていると言ってもいいでしょう。

2位の1〜15秒という結果を合わせると、なんと1分以内に購入を決める方が74%も!

私のフォロワー中心で154票のアンケートなので調査数として少なかったり偏りがあるかもしれませんが、DJの方なら感覚通りの結果になったのではないでしょうか?

ちなみに私は15秒以内で決めています。

ダンスミュージックは自分の知らない曲をその場で初めて試聴して買うことがほとんどです。初見でありながら短時間で曲を購入するという判断をできるのは何故なのでしょうか?

短時間でも購入を決断できる理由

ポップスなどでは知らない曲を短時間で一部しか聴かずに購入を決断することは少ないと思います。ダンスミュージックではそれが可能な理由について考えてみました。

①ループミュージックだから

テクノやハウスなどのダンスミュージックは基本「繰り返し」による音楽の構成なので一部を聞く事で一瞬で全体像を見通す事ができます。

ポンポンとプレーヤーの再生ポイントやレコードの針を先に進めて数カ所を聞くだけでおおよそのビート感が掴む事ができ、好きか嫌いかをすぐさま判断できます。

「サビ 」の無い音楽ではサビを確認する必要がないので全体像をつかむ事ができれば曲の良し悪しを一瞬で判断でき、即決が可能です。

プログレッシブハウスなどメロディーやブレイクの部分が重要な要素であるダンスミュージックは試聴時間も長くなる事が想像できます。

 

②重要なのはリズム

ダンスミュージックで最も重要な要素である「リズム」!

特にテクノにおいては、リズムメインで構成されている曲が多く、リズムの出来=曲の良さに直結します。低音部を支えるバスドラムの音やベースの音色に、空気感を生み出すパーカッション、キレのある高音を司るハイハットのバランスが何よりも重要です。

ダンスミュージックではリズムがほとんどのパートで鳴っているため、曲の一部分を抜き出して聴いても全体のリズムの良し悪しを判断できます。

DJとして曲をプレイする時にはリズムがしっかりした踊れる曲をプレイしたいので、リズム部分は特に重要です。

かっこいいシンセやアシッドなビヨビヨが入っていてもリズムが物足りずに購入を見送る事があります。

 

③感覚が大切な音楽だから

当たり前ですが、ダンスミュージックは感覚が大切な音楽です。歌詞もなくメロディーもなく、とにかく「音が気持ちいいかどうか?」を追求している音楽なので、たとえ一瞬のビートを聴いただけでも「気持ちいい!」とか「カッコイイ」と感じれば感覚を信じて短時間でも判断できます。

考えるな、感じろ!ってやつですね。

一瞬聴いただけでもカッコイイ!と思える曲は当然クラブでも人を引きつける事ができますのでDJは特に感覚的にカッコいいと思う曲を即決しているように思います。

ちなみに私はカッコイイ曲に出会ったら5秒以内でもすぐに決めます!あえて試聴をすぐに辞めて、購入後にフルレングスで曲を全力で聴いて踊って楽しむのが好きです。

 

 またDJはプレイ中に常に曲を瞬時に判断しなければならないので自然と判断力が身についているのかもしれませんね。

これらの理由からダンスミュージックは短時間で曲の良し悪しを判断できるという訳です。

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アーティストが対処すべき問題

せっかく曲を作ってリリースしても上記のようにDJは一瞬しか試聴してくれません。

ビートポートで販売されている曲の半分以上は1回もダウンロードされないという話を聴いた事があります(真偽のほどは不明ですが・・)

実際に私は曲を選ぶ時に1曲につき2秒ほどしか試聴しません。オッ!と思った曲だけさらに聴きます。

DJが一瞬で曲を判断するという事実を念頭に置いてトラックメイキングやマスタリングを行わなければ誰からも見向きもされずに終わってしまいます。

自分の表現したい事を捻じ曲げる必要はありませんが、自分の表現が少しても世界に届くためにはこの問題を乗り越えていかねばなりません。

 

アーティストとして出来ること 

①重要なのはリズム

これに尽きます!

リズム隊さえしっかりできればウワモノはどんな音が鳴っていてもダンスミュージックとして通用します。まずはリズムを作り込みましょう!

リズムがしっかりとしたトラックであれば踊れますし、DJもそれを良く理解しているので耳に引っかかりやすくなります。

キックの鳴り方一つで全体の印象が大きく変わります。

キック一つ取ってもキックの音を素のままで鳴らすのではなくいくつも重ねたりトランジェントシェーパーで音を整えたり、EQで持ちあげる周波数が時代とともに変わったりと、ゆっくりですがトレンドが進化しています。Youtubeにもたくさん参考になる動画が上がっているので参考にしつつリズム隊はしっかり作り込みましょう!

リズムさえしっかり作り込めば当然踊れるとトラックになり、DJからも支持されていくことに繋がります。

 

②マスタリング

せっかく曲を作ってもマスタリングがしっかりできていないと良く聞こえません。

音圧戦争は終わった・・と思われましたが、音圧が高く海苔波形のようなトラックも多く存在している所を見るとある程度の音圧は追いかけていかないとDJの耳にも引っかからないのかもしれません。

音数の少ないトラックは闇雲に音圧を追い求めるとグルーヴが全然違った物になってしましますし、判断が難しくマスタリング地獄に陥る事も良くある事です。

トラックが出来上がったら、自分な好きな似た曲調のトラックをリファレンストラックとして聞き比べながら各パートのバランスを取ると迷いが少なくなります。

テクノの世界では殆どのアーティストが自分でマスタリングを行っていますが、不安があれば有料のサービスも沢山存在しますのでお願いして聴き比べてみるのもいいかもしれません。

自分でPCで行うのであればWavesのL3やiZotopeOzoneくらいは揃えておきたい所です。マスタリングは奥が深すぎてとても私には語り切れる分野ではありませんが、世界に通用するテクノを作るためには避けては通れない部分です。

音のバランスと整えて音圧をある程度上げて行きましょう。DJをする時も聴感上の音が小さいトラックには繋げたくないものです。他のダンストラックと大きく違わないようにリファレンストラックと良く聴き比べましょう。

 

③空気感を取り入れる

何かしらの空気感があるテクノは強いです!

空気感がある=雰囲気や世界観を表現しやすい=踊りやすい、使いやすい!という流れがあるように思います。

空気感と言って様々な手法がありますが、例えば以下のような

・リバーヴ・ディレイによる空気感

・ノイズによる空気感

グリッチによる空気感

・ステレオコントロールによる空気感

・リアルレコーディング素材を取り込んだ空気感

・和音やパッド系の音色による空気感

・FX音による空気感など

ひとつひとつ詳しく説明したい所ですが、長くなるのでまたいつか呑みながら!

自分の買ったかっこいいテクノを聞き返してみて下さい。これらの効果による空気感を有しているものが必ずあるはずです!決して前面に出ているわけではありませんが空気感があることでノッペリとしたトラックにならずにカッコよく聞こえていると思われます。

 

というわけで、一瞬しかない試聴されるチャンスを逃さないためには、

①リズムを作り込んで

②音圧をある程度上げて

③空気感を取り入れる

こんなテクノを作ればいいのではないか!?と思いますが、実際に作ってるとそもそも①のリズムを作り込むのが難しいんですよね。。

私も日々鍛錬中です。

 

さぁ、このような過程を経て選ばれたトラックが流れるクラブへ遊びに行こう!

2018年もヨロピコピコー!!