今日はテクノの聴き方を掘り下げる、第3弾
16小節の魔力について考えます。
これまでテクノの聴き方を掘り下げてきました。
①はウラのリズムで踊る
②はミックスを楽しむ
に続いての第3弾!です。
テクノの聴き方を掘り下げて骨の髄まで楽しんでやりましょう!
16小節の魔力
テクノは繰り返しの音楽。ひたすらにドンチードンチーを繰り返して、繰り返しの中に生まれるグルーヴ感や身体の内側から吹き出す気持ち良さのような快感を生み出します。(ここで言うテクノとはダンスミュージックの4つ打ちのテクノを指します。)
テクノはひたすらに繰り返しの音楽ですが音が増えたり減ったり、リズムが消えたり帰ってきたりといった展開があるのが普通です。
一般的なPops などでは2小節とか4小節でどんどん展開して行きますが、テクノでは8小節か16小節で大きく展開という事がとても多く、30秒以上同じフレーズの繰り返しもよくあります。その為、普段ダンスミュージックを聴かない人からは「無駄に長い」とか「ずーっと同じ繰り返しに聴こえる」等と言われがち。。。
繰り返しの気持ち良さをテクノで踊った経験の無い人に説明するのはとても難しい。
ずーっと同じフレーズの繰り返しを聴いてるとジワジワとアガっていくのって、まるで白いご飯をずーっと噛んでると甘みが増してくる感覚のように「じわぁ〜」って来るんだよね!
うーん、、こんな感じで伝わるでしょうか?
そもそも1小節とは?
4つ打ちの音楽においては、「ドン!」のバスドラムが4回、つまり「ドン!ドン!ドン!ドン!」の長さが1小節です。
16小節だと4つ打ちでバスドラム64回分「ドン!」が繰り返される長さって訳です。
120BPMのテクノの曲だとすると16小節は32秒!32秒もずーっと同じループが繰り返される訳です。うん!長いね!
ついでにBPMとはBeats Per Minuteの略でテンポを表す単位です。1分間に何拍か?という事を表す数字です。120BPMだと1分間に120拍の早さです。
ゆるいハウスやテクノがBPM120~124、125くらいからスピード感が出てきて130BPM超えると段々ハードなビートっぽくなって135BPM以上になるとハードなテクノが多いです。
16小節を意識して聴く
基本は8小節で音が加わったり、引かれたりを繰り返しますが、完全にリズムが抜けたり、大きな展開や曲を左右する音の抜き差しは16小節単位で行われる事が多いです。なぜなら、気持ちがイイから!
理屈は抜きにして、16小節で展開する方が気持ちがイイんです!特にループが主体のダンスミュージックはね!
だから、テクノを聴くときは16小節という長さを意識して聴いてみて下さい。
クラブとかで踊ってると特に意識していなくても踊ってて「あー!ココでハイハットの音が来たらいいなぁ、あっ!キター!!」みたいな事ってありませんか?
それは正に16小節で曲が展開してる瞬間に違いありません。
8小節より16小節の方が「もったいぶってる」感が強くでるので、展開した時の気持ち良さが増すんですよね。
テクノを聴くと「やる気」や「意欲」を高めると言われるノルアドレナリンや「脳内麻薬」と言われるベータエンドルフィンが分泌されるいう研究結果もあります。
http:// https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/9506313/
やはり、テクノを聴くと気持ち良くなるのは間違いなかった!
僕の感覚では、同じリズムやフレーズを聴くうちに頭の中でも同じフレーズが鳴って、脳内と外の音がシンクロする事で脳に届く音の刺激が倍増して気持ち良くなっているように思います。(誰かに伝わってほしい!この感覚!!)
しかも、テクノは歌やメッセージ性も無い(事がほとんど)でただひたすら同じフレーズの繰り返し。つまり聴き手の解釈の幅が広い=聴き手に主導権がある音楽でもあります。
繰り返しのフレーズに身体を委ねて小さな変化に神経を尖らせると、身体の内側からジワジワアガってくる踊りたくなる衝動!
繰り返すからこそ生まれる「小さな変化」の「大きなインパクト」は16小節という長い時間を引っ張る事で際立っているんですね!
DJとして意識する16小節
コレを踏まえて、、DJをする時は16小節を意識してMIXをすると気持ち良くMIXできます。8小節でもうまくミックスできる事も多いですが、16小節の展開に合わせて曲を入れ替えたりブレイクに入ったりすると気持ちの良いミックスになります。
慌てて次にミックスする曲をスタートしちゃうと1小節目のつもりが、5小節目に頭を合わせてしまったミックスになっちゃって踊ってて気持ちの悪い展開になる…なんて事もよくありますので要注意!(DJなら誰もがやっちゃった事あるやつ)
短くポンポン繋いでいくスタイルやジャンルもありますが、ロングミックスの時は16小節を意識すると間違いなく気持ちのイイミックスになりますぜ!あまり声高には言われませんが、とても大切な事です。
ミックスする時の音の入れ方もジワジワとフェーダーを上げてふわぁ〜っと音を出すよりも4小節とか8小節とか曲の展開に合わせて音をクイッ!クイッ!と出して行くとミックスがよりスムーズに聞こえます。音を減らす時も同じく8小節とか16小節の区切りでEQで曲の主導権を渡したり、音を切ると自然に聞こえます。
そういえば、女性DJの方がバッサリと曲を切り替えて行くのが上手くて、男性DJの方がダラダラゆっくりフェードアウトして女々しく中途半端な音がずっと残ってるミックス多い気がします。このスキルを磨いて頑張れ男どもよ!
ミックスが中途半端な音の減らし方になっている人は4小節、8小節16小節でカクカク音を上げ下げするミックスを試してみて下さい。
テクノを作る時の16小節
テクノは同じフレーズの繰り返しの音楽です。特にテクノの要はリズム!
リズムがしっかり出来ていればずーっと踊っていられます。テクノを作る時は何度も何度も何度も何度もループして聴いている為自分で良いのか悪いのかわからなくなる事があります。
そんな時は私が基準にしてる法則、コチラ。
「本当に良いリズムは16小節変化なしに踊っていられる」
この法則に照らし合わせて音を立て聴きながら踊ります♪16小節変化なしでも踊っていて耐えられる出来栄えであればOK!ちょっと物足りないなーって思えば作り直し、、の繰り返し。
特にリズムが16小節の魔力を発揮できているかを踊りながら見直すんですね。
自分が踊れない曲で人が踊るワケないもんね!
32小節変化無し!ってテクノもありますが、私は怖くてまだ32小節展開なしというテクノは作った事はありません。いつか32小節変化なしでもグイグイ引きつけていられるリズムやフレーズが生まれるといいなー!
と、言う訳で普段聴いてるテクノやミックスも16小節を意識して聴くと、少し深くて気持ち良く聴こえると思います。
お試しあれ〜!
そしてやはり大きい音で聴くのが一番気持ちイイ!
さぁ!クラブへ行こう!