DJWarpの音楽の旅

テクノ中心にDJ,DTM,プラグインなど音楽のアウトプット

日本のテクノ 特集Vol.02 Paranoia106

日本人のテクノアーティストを紹介するコーナー第2弾!

日本のテクノを掘り起こす!

前回のコチラの記事

日本のテクノ 特集Vol.01 Yuuki Hori - DJWarpの音楽の旅

に続いてまたまた素敵なアーティストさんにお会いしてきました! 

今回は大阪に足を運んで大阪でデトロイトテクノを作るParanoia106さんのインタビューを行いました。

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大阪を拠点に数々の美しいトラックを生み出し2012年発表のアルバム”Landscape"は世界中のテクノファンから絶賛を受けた伝説のアルバムとなりました。特にデトロイトテクノファンの間では必聴の名盤とされています。

彼の曲のKen Ishiiさんのリミックスをデリックメイがプレイして話題にもなりました。Paranoia106さん宅へお邪魔するとそこは数々の名機に囲まれたプライベートスタジオが!

Paranoia106 インタビュー

こんにちは!

Paranoia106「こんにちは」

 

簡単なプロフィールを教えてください。

Paranoia106「Paranoia106名義で主にデトロイトテクノ寄りのトラックを制作しています。2009年にHypnotic Roomから”Secret Algorithm EP”でデビューしました。2012年にはアルバム “Landscape”をリリースしています。
尚、謎の覆面ユニットParahoria303に関与しているという噂もありますが定かではありません。また、悪のインダストリアルユニット『DEATH PARANOIA』とかバブルDJ『パラ・ロビンソン』等の関わりについても定かではありません(笑)」

 

それって完全に関与を認めてますね(笑)Paranoia106さんがテクノを聴き始めたきっかけは何ですか?

Paranoia106「年齢的にはYMO世代なのですが、幸か不幸かソッチにはハマりませんでした。子供の頃や学生時代は特撮映画マニアだったので音楽といってもサントラしか聴いてませんでしたよ。純粋に音楽に興味を持ったのがいわゆるバンドブームの頃で、今でいうJ-POPを普通に聴いてました。その後、ユーロビートとかのダンスミュージックに興味が出て、その次にテクノというキーワードでT99、L.A.STYLE、808State、Orbital電気グルーヴなんかを聴くようになりました」

 

YMOをスルーしてたとは意外ですね!テクノを作り始めたきっかけは何ですか?

Paranoia106「前述のバンドブームの頃なのですが、友人と遊びでバンドをやろうということになり、みんなギターやベースを始めるんですが、どうもドラムやる奴がいなかったんです。で、その友人たちの間で、「なんかドラムマシンとかいうのがあって、プログラムしたら自動演奏してくれるらしいぞ」という話になり、楽器演奏の練習を挫折した私がそのドラムマシンを買うことになりました。YAMAHA RX-7が私のファーストマシンです。RX-7の打ち込みドラムでBOØWY米米のコピーやってましたよ。間違えてますよね(笑)」

 

ドラマーの代わりにドラムマシン担当!?なかなか珍しいパターンですね。

Paranoia106「ええ、そしてその友人たちが一過性のお遊びバンドに飽きてくる中、私はついに打ち込みに覚醒してしまったのです!もうシーケンサー万歳ですよ。ローランドの梯氏もおっしゃってましたが、テクノロジーにより楽器演奏ができない人でも音楽が楽しめるというのは本当に素晴らしいことですよ。

それからはもうシンセ買って打ち込み一直線って感じです。そんなことやってる人が周囲にほとんどいない状況だったので、ひたすらマニュアルと格闘しながら当時聴き始めたテクノっぽいのを必死で打ち込んでました」

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ドラムマシンが最初の楽器だったんですね!そこからスタートして現在は多くのシンセやリズムマシンに囲まれていますが、ハード機材の魅力とは何でしょう?

Paranoia106「なんなんでしょう?もうコレは私にとって禅問答のようなものですね。私の場合、ハード機材をイジってモチベーションをあげて、その勢いでソフトでトラック制作をするという特殊な手法をとっていますから(笑)。とにかく理屈抜きでハードが好きなんですよ。ソフトは単に楽曲を作るためのツールでしかありませんが、ハードはそれが存在するだけで意義があるのです。見た目がカッコいいし、触ってて楽しいじゃないですか」

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「存在するだけで意義がある」名言ですね。ハードでテンション上げて、制作は主にPCで行ってるんですね。制作環境を教えてください。

Paranoia106「DAWMac & Cubaseが基本です。あとリズム作成においてはNIのMASCHINEが必須ですね。ハードはACCESS Virus TI2が一番使用頻度が高いですが、VSTプラグインとして機能するので実際にはハードというようりもソフト感覚です」

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ハードとソフトを使いこなすParanoia106さんがトラック制作にあたり、こだわっているポイントは何でしょう?

Paranoia106こだわりポイントはやっぱりシンセパッドの音色ですかね。イニシャルパッチの素のノコギリ波から自分でちまちまとエディットして作った音色は愛着ありますからね。複雑なシンセの凝ったプリセット音色は、ちょっと変えたい時にパラメーターをどう触っていいかわかりませんから。

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*実際に音を出してもらう。とても素敵なパッド系の音が!!*

うわー!やっぱりパッドの音だけでParanoia106さんの曲って分かる!カッコいい!

前作のアルバム「Landscape」は本当に名作ですよね!オープニングからエンディングまでの流れも最高ですし!アルバムを作る際に苦労した点はありますか?

Paranoia106「そうですねぇ...アルバムというより、いつも楽曲製作は苦労ばかりですね。とにかく皆さんに比べて曲を作るペースが遅いのが私の一番の弱点だと思います。しかも年中スランプで苦しんでますから(苦笑)。
前回のアルバム“Landscape”は制作中に「バランス的に次はどんな曲が必要だから...」とか計画的に作ったのではなく、作った曲を集めて並べたらいい感じの流れになったので、まさに奇跡でした。自分でももの凄く気に入っているので、もうあれは自分で超えられないんじゃないかと(汗)。

 

そろそろ次回のアルバムリリースへの期待が高まる頃ですが、次回作はどんな風になりそうですか?

Paranoia106「まずは自分自身で何度聴いても飽きない、捨て曲のない1枚に仕上げたいと思っています。いつもそうなんですが、トラック制作時はテーマやコンセプトを持たず、ひたすら自分がカッコいいと思うものを作っていく感じです。その中で出来あがったものに雰囲気や世界観みたいなものが反映すれば良いかと。」

 

*おねだりして未発表曲を聴かせて頂きました!うぉぉーー!!美しい!!

前作のParanoia106節を踏襲しつつ新しい方向性とリズムがしっかり・・おっと・・。まだ内容は明かせないのでした*

これは新作のリリースが待ち望まれますよ!これからやっていきたい事はありますか?

Paranoia106「まずは新しいアルバムを完成させてリリースするのが目標です。
あとは年に数回ぐらいライブもやりたいと思っておりますので、全国のオーガナイザーさん、機会あればよろしくお願いします(笑)」

昨年見た大阪のライブも最高でしたよ。曲の良さだけでなく、ダンスミュージックとしての音のバランスの良さにも驚愕しましたよ!大阪だけでなく福岡や静岡なと各地でもライブしてましたね。

ライブの模様はコチラ。

www.youtube.com

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最後に告知しておきたい事はありますか?

Paranoia106「えーっと残念ながら現時点では具体的なライブやリリースの告知はございません。最近の主な活動内容といえば大阪の西天満にあるimplant4さんというシンセサイザーショップにかなりの確率で出現してることぐらいです。
ちなみにこのお店はかなり画期的で、ブッ飛んでいるのでシンセ好きの方にはオススメです。普通、店頭でシンセの試奏をするなら2、30分程度でしょうが、ここはコタツに入ってじっくりマニュアル読みながら細かい機能までチェックできます。疲れたらコーヒー飲んでまったりできます。あまりの快適さ、シンセに囲まれた心地よさについつい毎週のように通ってしまう私です・・」


え!?コタツでシンセ!?ものすごく気になるお店ですね!今度連れて行って下さい!

今日はありがとうございました!

Paranoia106「ええ!ぜひとも!ありがとうございました」

 

というわけで、Paranoia106さんのプライベートスタジオで機材を触りながら気さくにお話を伺う事が出来ました。

年代物の機材も綺麗な状態でセッティングされていて機材への愛を感じました。

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Paranoia106さんの伝説のアルバムはコチラ

Beatport

Paranoia106 New Releases: Landscape (Album) on Beatport

iTunes

Landscape

Landscape

  • PARANOIA106
  • エレクトロニック
  • ¥1050

 

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 アルバムのジャケットも素敵!アートワークは奥様のheaven@airさんが手がけています。

 

2016/3/20に発表予定の「6音で作ったテクノ」のコンピレーションアルバム”Chocolate Minimal House"にもParanoia106さんのトラックが収録されます。コチラもお楽しみに!

www.elektraxmusic.com

ライブのオファーもお気軽に♪とのことなので、オーガナイザーさんも要チェック!

 

ちなみに、1枚目の写真に写りこんでいる黒いうさぎさんの名前は「ぽん吉」です。

今後も各地の日本のテクノアーティストを深く掘って行きたいと思います。

お楽しみに☆