不定期に公開している日本のテクノアーティスト特集の第4弾!
今回は大阪を中心に活動されているKick.Sさんです。
先月滋賀県のクラブMoveで行われたイベントに出演されていたKick.Sさんにお話をお伺いすることができました。
アシッドなトラックを独特の世界観で表現するKick.Sさんは昨年オーストラリアのHypnotic Roomからリリースしたアルバムも話題になりました。
Kick.S インタビュー
*簡単に経歴を教えてください。
中学生の頃にクラッシックの作曲家にあこがれて作曲の勉強を独学で始めました。
和声法、対位法、移調、などを勉強後にフルスコアを書き、高校生になって絵画にのめりこみしばらく作曲活動から離れていました。
20歳の頃にPCを使って作曲出来ることを知り制作活動を再開。当時、pentium4のPCではスムーズに制作することが出来なかったためハードのみの制作スタイルに移行。
Myspaceのコンテストに投稿し続けているうちに声がかかりHOUSE STUDIO-Rからリリースをスタートしました。
来日していたElektraxmusicのオーナーに直接デモを渡して認めてもらい、Elektraxmusicからのリリースがスタートして今に至ります。
*Kick.Sさんといえばアシッドのイメージですが、どのように現在のスタイルにたどり着いたのですか?
初めて買ったDAWがFL Studio 5だったのですが、そのソフトのデモにTB303のフレーズが入っていて、この音はなんだ?ってなって調べたらTB303だったというのを知りました。そして、TB303はその当時から高かったので、代わりにFutureRetro Revolutionを手に入れて使い始めたのが始まりです。
*なるほど、では現在使用している機材を挙げて頂けますか?
/// ハード ///
Digitakt
Virus TI2
Nord wave
MIDIMINI (前期型)
ANDROMEDA A6
Starstream Type-1
Proteus Orchestra
Planet Earth
SID MIDIVOX V2
CRITTER & GUITARI KALEIDLOOP
YAMAH TX802
YAMAHA Reface DX
KORG 01RW
KORG MS20 (前期型)
KORG RADIAS
KORG TR-Rack
KORG Electribe SX
KORG Electribe MX
ARP ODYSSEY (KORG)
TR9090
Acidlab Miami
xOxbOx
xOxbOx 2VCO mod
xOxbOx xOxHaert-mod
xOxbOx Black Enclosure
xOxbOx Bass Boost mod
/// エフェクター ///
BEHRINGER 2496
MXR carbon copy bright
Eventide space
Sherman Fileterbank 2
Strymon BigSky
Strymon TimeLine
TC Flashback Triple
Lexicon PCM 80
jomox T-resonator
Hackme Rockit
BOSS DD-500
BOSS SE-70
YAMAHA SPX990
YAMAHA DR100
VOX ToneLab
VOX double deca delay
EHX LPB-1
EHX platform
EHX Small Clone
EHX Small Stone
EHX Cathedral
EHX OP-AMP Big Muff
EHX Operation Overlord
EHX Green Russian Big Muff
EHX Deluxe Electric Mistress
/// レコーディング ///
YAMAHA MV802
MACKIE VLZ3 - 1202
BOSS BX-4
A&H Mixwizard
FMR Audio RNC1773 (E)
SSL XLogic Alpha Channel
YAMAHA MSP5
SONY PCM - D50
*スタジオの写真を送っていただきました*
*周りに機材を並べて座ってライブをするスタイルも印象的でした。どのように今のやり方に行き着いたのでしょうか?
ライブを始めたころは立っていました。
しかし、機材が増えていくと乗せるためのスタンドが複数必要になってきて、会場にあればいいですがほとんどの場合足りないか無いかのどちらかです。そこで地面に機材を置けば解決という発想が誕生しました。
座ってライブするというのはスタンドや板などの余分な荷物が増えることがなく、ほとんどの場所で出来るスタイルなのでおススメです(笑)。スタジオの写真を見てわかる通り自宅での制作も座っています。
*クラブMOVEでのライブはとても圧巻でかっこよかったです。特に音の分離感がよくキック一つとってもものすごく粒立ちの良い音で迫力がありました。何か秘訣があるのでしょうか?
KORG Electribe SXには真空管が付いているのですが、金物(ハイハットやシンバルなど)は真空管で強めに歪ませています。
キックは歪ませていませんが、低域50Hzのピークを基準にやや下の45Hzあたりをブーストし、アタックが聴こえる帯域の800Hz~1.7kHzをブーストしています。そして、キックとベース以外はローカットしてキックのアタックと重ならないようにEQでカットする処理をしています。
ここからは説明がややこしくてうまく伝わらないかもしれません。
Electribe SXにはサンプルに対してモジュレーションをかけることが出来るのですが、ここにアタックを強くするモジュレーションタイプがあってアンプとアサインすることでキックのアタックや胴鳴りを強くする設定が出来ます。
あとキックは機材を使って自分で作ります。主にMIDIMINI、TR-Rack、Electribe SX、Digitaktの4つとミキサーを使って作成していてこれを使うとかなりいい感じのキックが作れます。
他にはベースとキックのピークが重ならないようにマスターチューニングをずらしたり、かさなるときはベースのアタックをずらしたりなどの工夫をしています。
*独特な世界観のあるライブが物凄く好評でしたね。よく見ると機材にデザインを施している様に見えました。どのようにされているのですか?
ペンで直接描いて、消えないように上からクリアーでコーティング塗装をしています。
*これからハードで製作をしようとする方がいたら何をお勧めしますか?
Digitaktをおススメします。サンプラー&シーケンサーとしての性能がすばらしいです。ただし高域の音ヌケがいまいちなので工夫が必要です。
*製作はどのくらいの時間をかけて行っているのですか?
実際に動かす時間であれば短くて30分、長くて1日です。ただ、1曲作るのに必要な時間はその人が生きてきた時間が必要なので、私の場合は制作時間が34年になります。
*深いですね!製作時に集中力を保つ秘訣があれば教えてください
逆に集中しないようにしていて、なるべくリラックスした環境で制作できるようにしています。日常生活の中で制作をしています。
*これからのライブやリリースの告知があれば教えてください。
定期的にライブ中心のイベントを主催しているのですが、次は9月23日(日)です。
このイベントはAcidイベントになります。あとはAcid2018を近々リリース予定です。
*リリース楽しみにしています!本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
というわけで、9/23のライブ、お近くの方は是非とも足を運んでみてください!
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Kick.Sさんのブログはこちらです。
http://electronica-mini.blogspot.com/
日本のテクノも楽しみましょうー♪