DJWarpの音楽の旅

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モニターヘッドホン レビュー PHONON SMB-01L、AKG K712 Proなど

今日はモニターヘッドホンのレビューです。

もうヘッドホンは買わないと思ったんだけどなぁ。たぶんもう買わない。

昨年くらいまでに色々モニターヘッドホンを聴き比べて結局YAMAHAのHPH-MT8に行きついてメインで使用しています。HPH-MT8(以下MT8)の不満は低音が足りない部分だったので、低音が聞こえるヘッドホンが欲しいなーと思っていたところPHONONのSMB-01Lという低音がしっかり出るという噂のヘッドホンが安くなった!これは買うしかない!

それと、以前に買ったものの当時手をかけていたリミックスを終えるまで開封しない!と自分に誓って押し入れに封印したまますっかり忘れて放置していたAKGのK712 Proも開封したのでレビューしています。

レビューは開封しながら忘れないようにiPhoneのメモに書き込んだものです。

 

PHONON SMB-01L レビュー

以前にPHONON の4400というヘッドホンを使っていてとてもお気に入りだったのでこのSMB-01Lも気になっていました。

ここを検索で見に来る人はもうスペックなどは知ってると思うのでSMB-01Lについて知りたい方はこちらの公式をご覧ください。

SMB-01L Professional Monitoring Headphones | PHONON 音質を追求する総合ブランド

7万円くらいするヘッドホンなのでとても買えねーわと思ってたら9月に数量限定セールをやってたので「やべー!今しかねー!」と思って買いました。9月末までと聞いていたのに今のところまだ安くなってるお店もあるので気になっている方はお早めに。

 

というわけで届いたのがこちら!

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なかなかデケェ!
おそらくヘッドホンより一回り大きなケースで持ち運べるように取っ手もついていて頑丈そう。
カタログ値は下は10Hzから上は40kHzまでとのこと。これは楽しみだ。
チャックを、開けるとごっついイヤーパッドが特徴的な本体が右手に、左にはケーブルとやマニュアルが入ってます。
かなりピッタリ箱に収まっているので抜き出すのにはちょっと力をいれて抜きます。
さて、持ってみると見た目の割には軽く感じるイヤーパッドがゴツいから重量もあるのかと思ったけど普段使ってるYAMAHAのHPH-MT8とそんなに変わらない気がする。

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ゴッツいイヤーパッドはフカフカだかフワフワではなくそれなりの弾力性というか硬さがある。
付属品のケーブルを接続。フォーン端子側は簡単に断線しなさそうなシールドがあって少し安心できます。
ケーブルはストレートケーブルで長さもそこそこあるので不自由はしなさそう。

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それでは装着!
あれ?なんか思ったよりフカフカではない。イヤーパッドが軽くて硬めで側圧も高くないので耳にピッタリ吸い付くような感覚はありません。外の音もまぁまぁ聞こえる。
しかし側圧が強くないので長い時間使ってても痛くなさそう。バンドの部分は私のデカい頭では最大にしてようやくピッタリなのでFocal Listen Proみたいに頭のてっぺんが痛くなる事はなさそう。


では早速音を聴いてみます。

 

おぉ。確かに低音がしっかり聴こえてる。無理して出してるわけじゃなくてやや余裕のある低音がふっくらと前にでてきます。
しかし、ボーカルとか中域の音が少しへっこんだような少し歪な鳴り方だなー。高音は少しおとなしくてグイグイとは出てきません。
ボーカルとかとは距離があるような音の聞こえ方。

低音はずいぶん余裕のある鳴り方をするので低音域の音の確認はしっかり出来そう。なんか期待と違うぞ、、と思って不安になりつつ音量をグイっと上げるとようやく中域が立ち上がってバランスが少しよくなった。あー、これ全然違うわ。
ちいさな音で聞くには少しバランス悪そうな印象。ある程度大きな音を出すとものすごくリッチな低音まで聞こえて迫力がある音になる。
さらにもう少し音量を上げるとしっかりハイも着いてきた感のあるまとまった音になってきた。しかし音量を上げると全体的に繊細さは失われるようなどこかもったいない部分もある。エージング?しばらく鳴らすと変わるんだろうか。うーん。
低音がブリブリ出る音楽を鳴らしてもビリビリする事はなくここは余裕ある感じ。


テクノを聴いてみよう。
わーーー!キックの音がスゲー!
普段使っているYAHAMAのMT8は低音が弱いから余計にギャップを感じる!余裕ある低域の量と深さ。
小さなスピーカーだと追えない低域の量感を確認できるのは大きいなぁ!
低音は盛ってる訳では無いんだろうけどきっと大きな山がありそうな出方なのでSound Id Reference でフラットにして聴きたいところだったが、残念ながらPHONON SMB-01Lはヘッドホンが登録されておらず使えない。。悲しい。
低音が足りない曲にこのヘッドホンを使う事でローの不足感が間違いなくわかる。しかしローが多すぎる曲を聴き分けるには慣れが必要になりそう。なかなか言葉で伝えるのは難しい。
最近のポップスでも良くある808のキックみたいな低域がしっかり入ってる曲はとても映える。低音が入ってない、もしくはカットされてる曲はペラペラに聴こえる(聴き分けられる)。
ダンスミュージックとか低音の質にこだわる人にはピッタリ!でも、低音の聞こえ過ぎでバランス崩れてないかサブのヘッドホンも持ってた方が良い気がする。
一通り聴いてMT8を改めて聴いてみると、うわー、低音が物足りねー!すっかり戻れない身体になってしまってる。
しかし高域はMT8の方が圧倒的に余裕のある綺麗な音だ。バランスを見極めながら使い分けるのが良さそうですね。
というわけで低音確認用としては良いのかもしれないヘッドホンという印象でした。

ダンスミュージックに限らず低音の量が重要な音楽をやっている方にはいいのかもしれません。でもさすがに7万円は高い。5万弱で買えて良かった(よくない)。上を見れば20万、50万とキリがない世界なのだろうが、地方住みの私は試聴せずに買うからハードルが高いのですよ。

低音確認したいヘッドホン探している方はお早めに!

 

ちなみにSound ID Referenceとはヘッドホンやスピーカーの特性を補正してフラットに音を出すためのソフトウェアです。Sound ID Referenceは本当に絶対買った方がいいよ。本当に。今調べたら島村で前より安くなってた。くそぅ。


 

AKG K712 Pro レビュー

買ったのはいつだか。調べたら2月だった。

当時手掛けていたリミックスを仕上げてから開封しようと押し入れに仕舞い込んでそのまま忘れいたのでようやく開封しました。忘れる?普通?俺の記憶力ヤベーな。

丁度その頃スピーカーを買い替えてスピーカーで音楽を聴くのに夢中になっていた事も重なり忘れていたのでした。スピーカーの話はまた今度。

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モニターヘッドホンの定番機の一つで有名な機種です。開放型のヘッドホンです。

以前K-tさんの家で聞かせてもらって購入を決心したのでした。

デザインがとても良いよね!

箱を開けるとオレンジと黒のコントラストが見事なヘッドホン本体!とケーブルが二種類入っています。オレンジのストレートケーブルが最初から繋がっているのでこちらがメインなのかな。黒の方はカールコードです。AKGはヘッドホン側の端子が独特の仕様なので一般的なミニジャックとかでは使えません。詳しい規格とかはしらんけど。

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オレンジのフレームの内側に皮っぽいバンドがあって装着するとその部分がスライドして頭にフィットする仕組み。ニョキニョキと伸ばさずとも勝手にサイズが合うように出来てるからこのデザインなのかー

頭に装着すると側圧も強くなく、頭の大きな私でもまだ余裕あるので長時間使っても楽そう。

イヤーパッドは結構大きめでベロア生地のまぁまぁ固めの作り。

開放型だけあって外の音がしっかり聞こえている状態です。

つけ心地は極めて快適!ものすごく軽いし側圧も強くないしヘッドホンをしているのを忘れて寝落ちしても大丈夫そう(何が大丈夫なのかはよくわからんが)。

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では早速音楽を聴いてみます。

 

やや低音が物足りないがバランスはとてもいい感じ。ややボーカルが遠くに聴こえるような感じがするが左右それぞれの分離も良くて細かな音がしっかりモニターできる。

少し優しい音で、低音は物足りないというか低音は出てはいるけど808系キックの様なローエンドの量は見えにくい。

Sound ID Reference でAKG K712 Proのプリセットを登録してみると、なるほど3kHzのところがポコっと凹んでいるのと下は50Hzから下がシュッと落ちている。にしても中域までの真っすぐに近く伸びていくのは綺麗ですごいなー。

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Sound ID Reference で補正するとローエンドがしっかりでる!

鳴らせる実力はしっかりあるのか余裕のある低温が聞こえる。なんと言ってもこの凹んでいた3KHz辺りは補正されると別のヘッドホンかと思うくらい音が変わる!

後ろに下がっていたボーカルが前に出てきて解像度が上がったように感じられてとても良い。フラット至上主義ではないが流石にこの凹みは私のポンコツな耳でも気づいたくらいなのでここは持ち上げて聴きたいところ。

音量を下げるて比べてみると、アラ?聴こえ方が違うなー。補正の前後の差が小さくなって聴こえる。小さな音で聞くにはいいのかも。音を大きくしていくと3kHzの凹みのせいなのか必要以上に音量を上げたくなってしまうので、ある程度の音量で聞くのであればSound ID Reference など補正ソフトがあった方が圧倒的にいいと思う。

 

テクノを聴いてみる。あら、心地よい。なぜかローエンドの不足はそんなに感じない、補正後と聴き比べると足りないのはわかるんだけど、曲作る時にはこれくらいが丁度いい。ローエンドが出過ぎてると聞き疲れでわけわからなくなる事もあるので、曲を作る時は補正なしで、バランス取る時は補正かける・・みたいな使い方が理想的な気がする。

3kHzの凹みはハイハットの角が少し落ちてるような、まろやかな音に聴こえるが、音の良いクラブで大音量で音が鳴っているのでに、なぜか声が通る時みたいな感じ(クラブ好きに伝わると嬉しい)で耳に刺さらず長時間聴いてても負担が無さそうなポジティブな印象。

最初にリファレンス曲にしているポップスを聴いて少し残念な感じもしたけれど、テクノを聴いて見方が120度くらい変わった(180度ではない)。非常に心地よいクラブに居るようなバランスでなかなか良いぞ。この空気感がある感じが開放型の特徴って事なのかなー。疲れずに踊りたくなる良い音だわー!いいわーコレ。

テクノならボーカルが足りないからボリュームを上げたくなる感じもなく、50Hz以下は画面の落ち込みほど不足感が無い。なんで!?

YAMAHAのMT8より低音がしっかり見えるしコレは制作用としてとても良いのではないだろうか。

とはいえSound ID Refarence補正前後の音を比べると凹みの部分の補正のせいかハイハットの音が全く別物に聴こえるくらいの差があるのが少しリスキーだなぁ。

細かい事言わずに気持ちよくザーッと作るのにはとても良いので、このAKG K712 Proで制作をガシガシ進めて後からスピーカーとか別のヘッドホンとも聴き比べながら音のバランスとる使い方が正解な気がする。

テクノ作りたくなるヘッドホンって感覚持ったのは初めてだわー。

正直最初はありゃー、失敗したか思ったけどコレは手放せないなー。買ってしばらく放置してたのが悔やまれるレベルだよ。

と、ご機嫌になって普通のポップスを聴くとやはり物足りなく感じる。うん、どこか割り切って使うのが良いみたい。改めてYAMAHA MT8と比べると音の粒の細かさとか解像度は圧倒的にMT8の方が良くて少し物足りない感は否めない。MT8もクセがあるので結局は好き嫌いになるんだけど。AKG K712 proは補正ソフトで使うのありきならばとても良いと感じました。とはいえ、補正が必ずしも良いという訳でもなく補正すると声が痩せて聴こえるボーカルの曲もあるし難しいね。

制作の事を考えるとMT8よりもK712Proの方がテクノを作りたくなる音なのでテンション上がるのは間違いない。

何故音楽のジャンルでこんなに印象が違うのかはよくわかりませんがクラブミュージックとは相性が良いと思いました。

そして開放型なので音はめっちゃ漏れます。

 

ケーブルは2種類入っています。

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オレンジのストレートケーブルから黒のカールコードに変えたらあれ?音が変わった!?低音がややリッチになって良くなった気がする。オレンジのストレートケーブルの方がテンション上がるのに。黒のカールコードの方がいいのか?気のせいなのか?自分の耳を疑ってしまうけど、一体どうなっているのか。ネットで調べたらリケーブルの奥が深いみたいなのでケーブル欲しくなってきたけど止まらないからもうやめとく。

と言う事で、しばらくカールコードの方で使ってみます。

PHONON SMB-01Lに比べたらローエンドは見えない部分もありますが、比べる相手が悪いだけで充分だと思います。金額考えたら圧倒的にコスパがいい!AKGAmazonでたまに10%オフの割引が入ったりサウンドハウスのクーポンで安くなることがあるのでその時が狙い目です。

並行輸入品とかもありますが3年保証のこちらが安心。

 

Mackie mc-100 レビュー

コスパが良いと噂のヘッドホンも試しました。

Mackie mc-100

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見た目は悪くないし、ヘッドバンドの部分は合皮っぽくて伸び縮みする部分はSonyの名機900STを思わせる金属仕様。イヤーパッドはずいぶん硬めでここは一気にチープ感がでるが、ふわふわ過ぎない硬めのものが好きな方には違和感がないのかもしれない。金属のバンド部分にメモリがあって四段階で長さ調節が可能。私は頭がデカイので最大の4にしてギリギリピッタリでヒヤヒヤ。もつ1段階大きくなると良かったが、標準の頭の大きさの人なら問題無さそう。
ケーブルは脱着できないタイプ(まぁ当然)。
側圧は強過ぎないがイヤーパッドが硬いので慣れるまでは違和感がありそう。

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では、早速音を聴いてみよー!


パッと入ってきた音の印象は悪くないなー。思ったよりも低域から中音域にかけては頑張ってる。しかし低音の50hz以下とかのひっくい所は存在感の量が少し見えにくい。とはいえいわゆる低音はちゃんと聴こえててブーミーでも足りないわけでもなく価格を考えるとバランスが取れている感じ。

この価格でこんだけ鳴ってりゃそら上等だなー。高域にかけては物足りない。耳に刺さるような音は感じないので長時間聞いてても疲れにくいようなまろやかなような、物足りないような。

女性ボーカルとか聴いてると音の伸びの楽しさが足りなくなりました。全体的にぎゅっと寄っちゃってて視界が少し狭そうな印象。
900STと聴き比べるとやっぱり細かい音の明瞭度とかは全然及ばないんだけど、金額差を考えたら十分な元が取れる音の様に思いました。
にしてもこれで4000円くらいなんだからとてもコスパは良いと思う。9800円くらいの音が鳴ります。しらんけど。

入門機としては間口が広いいいヘッドホンだと思います。

そりゃ価格が上のヘッドホンに比べると足りない部分もありますが、どんなヘッドホン使ってもいい曲ができるかどうかは別問題なのでとりあえずこれで音楽をスタートしていくとか、現場に気軽に持ち込むとかこのヘッドホンの良さを生かせるシーンは沢山ありそうです。同価格帯のヘッドホン開発のハードルを上げると言う意味でも、いいヘッドホンですね。最近中華ヘッドホンも幅を利かせつつある中、老舗の反撃が始まったのでしょうか。これからのヘッドホンの進化にも期待ですね。

 

調べたら買った時より随分安くなってる!くそぅ・・。

 

ということで、今年買ったヘッドホンのレビューでした。

 

まとめ

ここ2−3年くらいで結構色々なヘッドホンを試してきましたが、今のところの結論!

 

スピーカーの方がいい。

 

はい。比べる物ではない事も分かっていますが、やっぱりスピーカーの音が身体に感じられるし良いよねー!音が鳴らせる環境の方はヘッドホンにこだわるより良いスピーカー買った方が幸せになれると思います。

スピーカーだと聞こえない低音とかディテールをヘッドホンでカバーするのが理想ですね。

私のような地方住みは近所でヘッドホンの試聴ができないのでとりあえず買うしかありません(泣)。レビューがヘッドホンをお悩みの方への参考になれば嬉しいです。

良い音で音楽を聴くと何度も聞いた曲なのに発見があったり、何度聴いても飽きなかったり、とても幸せな気分になれますよね。音楽って最高だなー!

 

今のところ私の一軍ヘッドホンはYAMAHA HPH-MT8と今回のAKG K712Proです。

両方とも頭が大きい人でも長時間使えるのがポイント(結構重要なのよここは!)。

YAMAHA HPH-MT8は本当にオススメ!

アマゾンはなぜか少し高くなってるなー。

Rock onが安いようなのでこちら。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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こちらはあくまでもテクノ作る人目線でのレビューです。自分の耳で聴いて選ぶのが一番良いよ!

ではまたー!